名古屋支部Aブロック合同例会
1月19日
「企業は人なり!」
松岡祐司氏(株)アサプリ(三重同友会)
「『従業員』という言葉は『従う』という意味を持っているので、私は使いません。共に働く人なので、必ず『社員』と呼びます」という言葉で始まった本例会。ゲスト、オブザーバーを含め240名が参加しました。報告者の松岡氏は印刷業を営んでいます。倒産した印刷会社を「和の心を重んじた日本式M&A」で、前オーナーと全社員をリストラせずすべて引き継ぎ、より成長させた実例と、そこに隠れた失敗談や苦労話などを、言葉飾らず報告いただきました。印刷業界は近年、工程がすべてデジタル化され、時代と共に変動が著しい業界です。しかし反面、人を重んじた「志」「哲学」「想い」など「ローテク・アナログ」的な発想が経営には重要であることを熱く語られました。はじめは「社員を疑っていた」と語るも「疑っているうちは疑われている」と気づき、自分が変わることが社員を変えることだと考え、現状の売り上げを「黒板」に記すなどの情報公開を行います。また、社員をやる気にさせるために、松岡氏は対話型の経営から取り組まれます。アイワードの木野口氏を師と仰ぎ、北海道の社員旅行では会社見学をするなど、社員と共に学びます。失敗は謙虚に反省し、自分だけでなく社員と共に判断する環境を築く、M&Aは一企業のみならず、あらゆる人生がかかっていることを意識しなければならないと語られました。社長を含め全社員を残して再生する。基本は「人」であることを主眼に起き、「正しいことをやって悪くなる訳がない」(京セラ稲盛会長)を胸に、日々社員と共に目的を追求していきます。グループ討論では、「いかに社員のやる気を引き出すか」というテーマで討議しました。キーワードとして「意識改革」「コミュニケーション」「存在意義」「情報開示」「先頭に立つ」「ベクトル合わせ」等々が出ましたが、基本は「約束を守る」「裏切らない」など、人間的なモラルではないかと感じました。「嫌うと嫌われる」「信頼しないと信頼されない」「自分がやらないと社員もやらない」など、社員は社長の鏡であると実感しました。
会社は「誰」のものなのか。経営者が「俺の会社」と思っているうちは、社員はついてこないのではないでしょうか。社員が「自分たちの会社」と胸を張って言える企業をめざすことが、社員の「やる気」を引き出すことだと感じました。
古澤デザイン事務所古澤毅(北地区)