広報部
2月28日
代表理事が語る新年度への想い
中小企業が放つ時代を創ろう
山本栄男氏(代表理事)
2月28日の広報部会では、「新年度の愛知同友会の活動とは」と題し、代表理事の山本栄男氏((株)サカエ社長)を迎え、加藤広報部長の司会進行により、インタビュー形式での報告が行われました。本年度の広報部員と新年度の広報部員予定者等19名が参加し、愛知同友会の新年度方針を代表理事自身の言葉から学び、地区に帰って自分の言葉で語ることをめざしました。当日は広報部員自らの業界の現状や地区のこと等の発言を交えて進められ、「全員参加型」の広報部会となりました。
「自立型企業」とは
景気の回復がささやかれる中、現実は二極化されつつあり、中堅企業は大企業と中小企業の狭間でもがき苦しんでいます。大企業は生産拠点を海外に移し、また大幅なリストラ等で経費を削減し、生き残りを図っています。しかし、私たち中小企業はそんな訳にはいきません。人は「宝」であり、「地域に根ざした経営」は当然のことで、今後生き残るには、本当の意味での「自立型企業」になることです。「自立型企業」とは、同友会理念や『労使見解』をベースに自社の経営課題を明確にし、経営指針を確立し、社員と共に育ちあう企業のことです。内容は分かっているつもりでも、「実践」が伴わなければ無意味です。私たちが作った異業種交流グループ「エントロピ豊明」は、95年10月の発足以来、「産(官)学」と連携し、自助努力の精神を発揮してきました。誰かに何かを「してくれ」と頼む時代は終わり、今大切なのは「自ら創る精神」なのです。「自立型」のキーワードは、「自助努力」「時代の先読み・先取り」「差別化・独自性」なのです。
自ら襟を正し、仕事に誇りを
「中小企業憲章」の勉強会は、愛知同友会の各組織で熱心に行われ、参加者はのべ1000名を超えています。しかし、これは制定前の学習運動であり、憲章の制定には各社での同友会理念の追求が不可欠で、会員自らが、「よい会社」「よい経営者」「よい経営環境」をめざすことです。「EU小企業憲章」の精神にもあるように、憲章は中小企業の「誇りを掲げる」ことです。自らが「襟(えり)を正す」ことから始まり、自らの仕事に「誇り」がもてるようになることです。よい経営者とは「尊敬される人」であり、そうなるためには「汗」をかく(行動する)、考え方をきっちりする(経営指針)ことが不可欠です。将来の目標や夢を受け入れられる「土壌」が企業であり、尊敬される人間が「経営者」でなければなりません。社長が進んで「額に汗する」こと、その姿を見て社員や家族が尊敬する。情報氾濫の時代だからこそ、誰にでも見える「学び」と「行動」が大切なのです。
学んだことを実践してこそ
会員は「辞書の1ページ」です。辞書をより充実させるための増強ですが、ページを増やすことだけを考えると本末転倒です。「会員の資質向上」を図る様々な学びの場が必要であり、それが同友会なのです。
愛知同友会「2010年ビジョン」に掲げられた「5000名会員実現」のために、まずは3000名会員の実現です。そのためには、現会員の一層の「学びと実践」が不可欠です。増強は「自社と自分のため」です。5000社といっても愛知県下の企業数の7%にしかすぎません。人はともすると、学んだことだけで満足してしまい、「頭でっかち」になりがちです。学んだことを「実践」してこそ、本当の意味での「学び」なのです。
「自分一人やってもやらなくても何も変わらない」、そんな想いが重なると、間違いなく何も変わらない。微々たる行動や想いでも「続ける」ことで、必ず何かが変わる。いかなる現状も「チャンス」と捉え、「学び」「実践」する。こんな時代だからこそ、「中小企業が光を放つ(主役となる)時代の到来」であると、山本代表理事のお話を聞いて強く感じました。