産学連携プロジェクト
高まる教育・研究機関からの期待
愛知同友会では、1998年より「大学生インターンシップ」の受け入れに取り組んできました。8年間の会員企業での受け入れや大学教員との連携もあり、教育・研究機関からの期待はますます高まっています。現在インターンシップでは、2週間の研修とより専門性を持たせた1ヶ月の長期研修、さらには名南工業高校との研修にも取り組んでいます。地道に同友会の共育理念を地域に広げてきた結果、大学や地域での教育機関から、今まで以上の期待が寄せられるようになっています。今年度より産学で連携した活動をより発展させるため、対外的な依頼への窓口として「産学連携プロジェクト」を正式に立ち上げました。プロジェクトメンバーは加藤明彦理事をプロジェクト長に、共育・労務労働・共同求人の3名の委員長をメンバーとし、各機関からの依頼を検討しています。
会員経営者が大学の教壇に
2006年度は大学からの講師要請が数多く寄せられ、以下の五大学へ会員経営者が講師として登場します。
1、東邦学園大学「地域ビジネス特講3」 (11名)。
2、名城大学経済学部大学院「フロンティア産業研究」 (12名)。
3、愛知産業大学「経営哲学特講」(3名)。
4、名古屋市立大学「地域ビジネス活性化論」 (5名)。
5、日本福祉大学「インターンシップ事前講義」(1名)
さて、ある大学の講義を前にして担当教員を招き、会員講師陣が一同に会しての講師団会議が開催された時のことです。昨年度、実際に講師として登場した経営者からは、「講義が始まると同時に眠り始める学生、隣の友達同士で講義中喋りっぱなしだった」「基本的に大学1年生は高校4年生として捉えるべき。講義を聴いてもらえないのは講師の責任である」といった厳しい感想が出されました。しかし、そこは同友会で学び、理念を実践する経営者の皆さんです。学生を粘り強く教育し、講義を受けた学生が今度はインターンシップ生として中小企業に研修に来ていると言います。在学中に中小企業の実態を系統的に学べる機会となり、地元の大学生に中小企業の魅力を講師全員で、伝える教育運動であることを確認しました。担当教員からは、「私たちの中小企業論と経営者が話す実践の中小企業論では雲泥の差があり、迫力が違います。ぜひ学生に働くこと、生きること、そして中小企業の魅力を経営者の皆さんの実体験や経営哲学を通して伝えて欲しい」という強い期待が語られました。
「出会いと体験の道場」の推進委員に
現在採用難、技能継承などといった喫緊の課題が企業に山積しています。産学連携プロジェクトでは、同友会の共育理念をベースにして、中小企業の課題に応える戦略を描いています。また、愛知県や名古屋市とも連携を模索しており、3月28日には愛知県が全県で取り組む中学生の職場研修「あいち・出会いと体験の道場」の推進委員メンバーとして共育委員長の加藤氏がその会合に出席しています。大学とは経営者の講師派遣や、教員と会員企業の技術的な面での協力も視野に入れながら連携し、学生には中小企業の現場が見える学びの場面を提供します。地域の若者が地元の中小企業の魅力を知り、就職して活躍する、そんな地域と中小企業の発展につながるな活動が今始まりつつあります。