どうゆうき

▼「持続可能な発展」、近年よく聞く言葉ですが、中小企業ではまだまだ馴染みが薄く、この言葉からは、地球環境の危機的な警鐘があまり感じられません。しかし地球の生態系の生産能力と人間の資源消費量を比べると、すでに消費量は生産量を22%も越えています
▼昨年12月に自然科学者170人の知見をまとめ発表された「サスティナビリティの科学基礎に関する調査2006」や、今年出版された「気候変動12」によると、気候シミュレーションの結果、2100年には地球上のほとんどの地域で、人間の生存に適さない程の温暖化が進むとされています
▼同友会でも地球環境部会が発足し、昨年九月には愛知で「第3回地球環境問題交流会」が開催されました。同友会で取り組んでいる中小企業憲章にも人類生存の考えがベースにあります。そして持続可能な社会を確かなものにし、自ら提言し実践していくことが地域で求められます。中同協赤石会長は、人間尊重の経営で生みだす力を「情理の効率」と表現していますが、この「情」とは、お金で買えない豊かな心を、情理の「理」とは、人類にとって望ましい社会への「道理」を意味するとしています
▼大企業では、すでに環境を戦略的に位置づけています。それは、環境保全が巨大なビジネスを生むからです。対症療法的な事業が多い中、人類永遠の存続と繁栄、人間が人間らしく生き・暮らし・働ける社会の実現をめざしている同友会の役割は大きいといえます。このような同友会の求める望ましい社会にするためにも今期3000名会員をぜひ実現しましょう。

副代表理事 平沼辰雄