どうゆうき

▼ここ数年、サービス残業、偽装請負等、雇用関係において驚くべき実体が明らかにされています。2001年、厚生労働省がサービス残業根絶の通達を出しました。これは労働時間の管理責任が企業にあることを明確にしたもので、以後労働基準監督署の指導の下、大手企業の多くが勧告に従い是正を余儀なくされました。2005年度だけでも不払い残業代を支払った企業は1524社、金額にして232億円にのぼりましたが、これは氷山の一角にすぎないと思います
▼昨年来、経団連より出された提言の一つに、「ホワイトカラーエグゼンプション」という横文字の制度があります。これは一定金額以上の年収者には残業代を支払わない制度です。つまりタダ働きです。しかし政府は「国民の理解が得られない」と今通常国会への提出を断念しましたが、参議院選挙が終わればいつ出されてくるかわかりません
▼その他の経団連の提言の中には、法人実効税率を現行40%から30%へと引き下げることや減価償却率の上限95%を100%に引き上げる案もあります。しかし企業が利益をあげてこそ始めてこれらの減税の意味があるのです。日夜努力しても、黒字経営にできない圧倒的多数の中小企業にとって、メリットがあるでしょうか
▼この大企業向けの減税に対して、消費税アップが計画されています。すなわち国民へのしわ寄せです。これでは「大企業栄えて民滅ぶ」事になりかねません。「国民や地域と共に歩む中小企業」という同友会理念から照らしてみれば、到底理解できないというのが実感です。

副代表理事 津田 豊造