どうゆうき

▼「お前も泣いたか、あれ見て泣かん奴はどうかしとる」。沖縄全研2日目のプログラム、現代版組踊「大航海レキオス」を見た愛知の参加者が感動覚めやらぬ面持ちで語り合っています。「レキオス」とは海を道とし、異国の国々と交流を結んだ古き沖縄の民の呼び名。これは、現代っ子の少年ワタルが古のレキオスたちに思いを馳せ、ウチナーンチュ(沖縄県系人)である自らのルーツをたどる冒険と心の交流をテーマにした物語です
▼演出した平田大一氏は、公演の前の対談で「文化は習慣です」と語り、長い間、生活の中で繰り返され、蓄積された民族の心や智恵が文化なのだと受け取りました。全研の懇親会では舞台一杯のカチャーシー(沖縄舞踊)で盛り上がりましたが、これも歌の島である沖縄なればこそです
▼「レキオスを見て僕のDNAにスイッチが入った気がします。縄文の時代からの日本人の心、日本の原点を共有できました。第1分科会では地域再生のヒントは足元にあると学びましたが、その原点を演劇でも教えていただきました。同友会を文化に高めていく。中小企業が文化を作るために、理念を環境文化にまでしていきましょう」。全研最後の鋤柄幹事長のまとめです
▼レキオスに涙した男はいま本気になって考えている。レキオスを愛知でやる。それを見て子供が変われば、大人が変わる。大人が変われば、町が変わり、地域が活性化していく。文化は憲章とつながる。憲章に命を吹き込むのは文化だと全研は教えてくれた。まさに文化の中に現代の指針がある。これが私の沖縄の土産です。

副会長 福谷正男