3000名会員を実現し、同友会理念を広めよう
第46回定時総会を開催
4月24日
第46回定時総会が4月24日午後、千種のメルパルクNAGOYAで開催され、会員や来賓、行政関係者等を含め403名が参加しました。総会では、「活動経過」「決算」や規約改正提案が採択され、3000名、5000名会員にふさわしい組織づくりをめざすことになりました。
中小企業家の気概を持って
その後、新年度役員選出が行われ、会長に山本栄男氏((株)サカエ・豊明地区)、代表理事に新井敏男氏((株)アライ・一宮地区)が共に新しく選ばれました。その後「情勢と展望」「活動方針」「予算」が新年度役員より提案され、拍手で承認されました。今年の活動方針では、地域経済発展の担い手は中小企業であるという気概を持ち、3000名会員の早期達成や「2010ビジョン」の実践、「労使問題全国交流会」を通じた『労使見解』の会内への浸透、「中小企業憲章」「地域活性化条例」制定への取り組みなどを重点に、活動することが確認されました。またこの総会をもって退任した四名の代表役員を代表して、前会長の佐々木正喜氏(会顧問)があいさつに立ち、代表理事や会長として長年同友会運動に携わってきた想いを振り返りました。
5つの分科会で総会提案を深める
総会に先立ち、「中小企業地域活性化条例」「労使見解の実践」「自立型企業づくり」「産学官連携」「同友会活動の原点」をテーマにした5つの分科会で、これまでの到達点や今後の課題を深め合いました。懇親のパーティでは、同友会創立の歴史を紹介する東京同友会五10周年記念DVDも上映され、また新年度への増強アピールや、7月に愛知で開催される労使問題全国交流会のPRも行われました。最後に大島総会実行委員長より謝辞が述べられ、盛大な拍手をもって閉会されました。
●来賓の皆様
◎愛知県産業労働部中小企業金融課主幹鍋澤宗之氏
◎名古屋市市民経済局経済部経済産業課長社本謙氏
◎名古屋銀行取締役上前津支店長小栗章雄氏
◎愛知銀行取締役営業統括部部長田口勉氏
◎中京銀行執行役員営業統括部部長外川誠一氏
第46回定時総会議事報告
◆日時07年4月24日
◆会場メルパルクNAGOYA
◆議事出席387名
@2006年度活動経過(山本代表理事)☆事前質問について・議案書の見出し・企業変革プログラムへの取り組み・増強の取り組み・中小企業憲章制定運動経過報告の中で以上の質問に対して回答を行った。
A2006年度決算(近藤財務部長)
B2006年度会計監査(水野会計監査)
C規約改正(青木規約検討委員長)
◎議長は@〜C号議案を一括して議場に諮ったところ、満場異議なく承認された。
D理事・会計監査の選出(福谷役員選考委員長)
◎議長は議場に諮ったところ拍手で承認された。
※一端休憩時間となり、第1回理事会を開催。正副代表理事、顧問、相談役、名誉会長の承認と正副会長の推薦が行われた。
※議事再開後、正副代表理事、顧問、相談役、名誉会員(以下)の紹介が新井代表理事より行われた。代表理事に新井敏男、副代表理事に加藤明彦、杉浦三代枝、立木勝義、顧問に江崎信雄、遠山昌夫、佐々木正喜、相談役に尾嶋敬久、竹内郁雄、丹羽スミ子、廣瀬嘉人、福谷正男、名誉会員に加藤庄造、遠山昌夫、丹羽スミ子、湯浅清の皆さん。
E会長、副会長の選出
◎会長に山本栄男、副会長に平沼辰雄を提案。
◎議長は議場に諮ったところ、拍手をもって承認された。
F情勢と展望、活動方針(新井代表理事)・3000名会員を早期に実現・「中小企業憲章」「中小企業地域活性化条例」制定に向けた運動・「労使見解」を学ぶ活動を展開し自立型企業をつくる(2010ビジョンの具体化)
G2007年度の予算提案(立木副代表理事)
◎議長はF〜G号議案を一括して議場に諮ったところ意見、質問はなく、満場異議なく承認された。
◎以上をもって第46回総会の全議案の審議を終了、議長を解任し閉会。
【書記 事務局・井上誠一】
第46回定時総会4月24日
3000名会員を実現し、同友会と企業、そして地域の隅々まで同友会理念を広めよう
第46回定時総会が4月24日午後、千種区のメルパルクNAGOYAで開催され、403名が参加しました。総会に先立って開かれた分科会では、「中小企業地域活性化条例」「社員との信頼関係づくり」「自立型企業づくり」「産学官連携の取り組み」の4つの分科会に加え、同友会理念に基づき、会で学んで自社で実践する「同友会活動の原点とは」の分科会を設け、新会員も交え改めて学ぶ場を設けました。各分科会の概要を紹介します。
第1分科会中小企業地域活性化条例
豊かな地域づくりなくして、中小企業の継続的発展なし!
岩橋 浩氏(株)ホクコー社長(北海道同友会)
この分科会は、行政の方も交えて、豊かな地域づくりに向けて、企業家と行政の立場から何ができるかを学び、地域活性化条例の理念をいかに地域に広げていけば良いかを考える分科会でした。その中で、北海道同友会の帯広支部が取り組んだ条例と地域振興の在り方について具体的な報告を岩橋氏よりしていただき討論で深めました。中小企業は地域から離れません。それ故、地域の崩壊を防ぐため、人材の集まる地域づくりや今回制定された条例の理念をどこに求めるのかが身近な課題といえます。また、経済の活性化を考えた場合、森林の例で、常に若い苗木が育つから維持できる様から、創業が如何に大切なのかを学びました。地域での中小企業政策が必要とされる理由として、中小企業の属性から、地域性・特殊性・多様性から不可欠な要因で、改正中小企業基本法第六条の意味合いについて確認しました。政策になぜ条例が必要かといえば、政策法務の継続性の担保のためであり、条例の理念を明記することにより条例が制定された後にどう変わるかを明確にしていくことなど多くの学びがありました。最後に、地域の特性を生かす事が大切で、条例の基本理念は、地域によって違い、わかりやすく地域住民にPRできるかが鍵だと思いました。
(株)総合経営研究所 伊藤 克
第2分科会社員との信頼関係
企業発展の原動力は「労使見解」の精神にあり
池野 雅道氏(株)愛農流通センター社長
第2分科会では、「時代を越えて行く企業をつくる熱い経営者」と題した池野氏の経営体験報告が行われました。この分科会は、7月27、28日に地元愛知で開催される労使問題交流会を見据え、経営の原点「労使見解」に焦点をあてたもの。池野氏は、自分達で日本の農業を守るという思いで、同じ志を持つ仲間と起業します。しかし、「社長は自分だ」という立場の強調と、問題は手法で解決できるとの思い込みで、社会の変化に対応できない会社だったといいます。さまざまなセミナーや研修を受けても会社が上手くいかないとか悩んでいた時、同友会の「労使見解」を知ったそうです。同友会の労務労働委員会の合宿で「何をしたいのか見えない。社長としての責任を果たしているのか」「社員との信頼関係は真正面からぶつかれ」と叱咤激励を受けます。社員を信じ任せること。その支えにあるのが「わが社は何のためにあるのか」という理念の共有。社員が自分達で考え改善した成果が数字となって現れてきています。一歩一歩、社員が将来の生活を託せる会社に近づいているのを感じました。
(事務局・八田)
第3分科会自立型企業づくり パネル討論
中小企業の「強み」はこうして創られる!
阿部 克己氏 愛知東邦大学准教授
浅生 卯一氏 愛知東邦大学教授
田村 豊氏 愛知東邦大学准教授
平沼 辰雄氏 (株)リバイブ社長
自立型企業づくりを実践する会員企業の共通点は、まず強みの要素として、経営理念が行動規範となっている「経営指針の実行の徹底」や時代変化を機敏に捉え、困難を成長の糧とする「時代への対応力」がある事といえます。さらに社員の自主性の尊重を柱とした「人育ての仕組み」の確立。そして、自社の強み、弱みを認識し、強みを伸ばして弱みをカバーする「自己分析力」。以上四つの共通要素を紹介しました。次に社員相互、経営者とのコミュニケーションに着目します。日々おこる様々な課題について、社員1人1人が解決策や問題点などを認識していること。このような1人1人の社員の意見や提案を上手く引き出し、課題解決を図る「創造的コミュニケーション」が発揮されている事例を説明しました。最後に経営者の役割を指摘しました。強みの四要素を上手くかみ合わせて強みを発揮すること。それらを取りまとめる能力。つまり自社をどのような会社にしたいのかを描く「自社をデザインする」力に長けていることが必要だと強調しました。
(事務局・八田)
第4分科会 産学官連携 パネル討論
インターンシップ受入れで同友会理念を地域に伝えよう
杉浦 清高氏 スギ製菓(株)工場長
武田 充弘氏 タケダ歯車工業(株)社長
横井 暢彦氏 (有)ワッツビジョン社長
この分科会は、今年10年目を迎えた愛知同友会のインターンシップを振り返る分科会として、大学・高校・中学それぞれのインターンシップ生を受け入れた会員企業をパネリストとして開催されました。一口にインターンシップと言っても、2週間の期間がある大学生と、2〜3日しかない中高生とでは全く内容が異なります。受け入れる側の意識として、@自社の経営環境を改善する。A学生に中小企業で働くことの意義を伝える。B同友会の「人間尊重」・「共育」の考え方を地域に伝え、輪をひろげて当てにされる企業づくりをめざす。このような、大きな視点で迎え入れる姿勢が大切であることが報告されました。今回パネリストをお願いした3社は、3社とも、学生さんのことを本気で考えていることを知り、また、学生からの指摘で自社を見直すきっかけにしていることが、よく解りました。インターンシップは、単なるボランティアや、採用の青田買いでは長続きしません。地域の若い人たちに中小企業で働くことの意義を伝え、逆に選ばれる企業をつくっていくことで、企業・学生相互に意義のあるインターンシップを続けていかなければならないと認識しました。
(株)丸竹 服部 勝之
第5分科会同友会活動の原点とは
学んだら、素直に実践、会社は発展
鋤柄 修氏(株)エステム会長(中同協幹事長)
同友会では知らない会員はいないぐらいの鋤柄氏の報告では、入会までの動機は我々とそんなに異なるわけではないのだと、身近な存在だと感じました。しかし、同友会に入会してからの活動は、学んだことを自社ですぐ実践して、同友会でその実践を検証報告し、そしてまた学ぶ。こうした繰り返しを素直にやってきたことで、学びのステージを上げて行ったのだということが分かりました。今回は新会員の入会式・オリエンテーションを兼ねる分科会でしたので、労使見解・経営指針・共同求人・社員教育などにも触れた内容でした。参加者が特に興味を持ったのは、プレイングマネージャーからの脱却を図るための経営者の真の仕事とは何かについてです。社内で片腕を育てることによって時間を作り、学ぶということ。これは、なかなかできず、社員に任せられないジレンマに捕われているなど、ここで学ぶべき課題を持った方が来て見えると思いました。討論テーマの「何を学び、実践していますか?」の問いに皆さん口が重くなっていました。しかし、あるベテラン会員が「少しづつでかまわないからと私はマイペースでやっています。」と、発言されたら場が和み、活発な討論ができたグループもありました。
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