シニア部会
4月12日
「木」日本の木材資源は増加の一途
山本 栄男氏 (株)サカエ
2月例会「豆」に続いて4月例会は「木」の報告となりました。日本の在来工法による木造建築に情熱を燃やす山本氏の報告は、木の種類と特徴から始まりました。1軒の家でも木材の特長毎に使い分ける。その木材を産する日本の山は、気候の違いだけでなく地域の産業に関連した木を植林しています。具体的な例として九州では、船づくりに適した軽い杉を、本州は住宅用の杉(木目が細く成長が遅い)が多く植林されます。能登半島地震のニュースをみて地震の大きさに比べ被害の小さいのに驚き、山本氏は現地にすぐ飛んだそうです。調べると豪雪地帯の能登は、柱の太さ・本数・壁の中のコマイ等、全てが東海とは比べ物にならないほど頑丈でした。そこから考えると、能登と同じ程度の地震が東海地方を襲えば、その数倍の被害が想定されます。逆にいえば、しっかり造った木造建築は地震に強いということです。国内の状況は、外国に禿山ができるほど大量に輸入された木材が溢れています。一方、日本の山に放置された樹木は年々太り続け、保有木材量は増加しています。反面、山は荒れてしまい、環境循環が狂ったことによる環境悪化に繋がっているといいます。これでは、地産地消ならぬ、国産国消の道を歩もうとしていると警鐘を鳴らしました。経営を語らず、哲学を語るシニアの6月例会は「歩く」です。ご期待下さい。
廣瀬 嘉人(株)カスク