金融アセスだより
第16回
金融を例会で取り上げる
皆様の地区では、地区方針に沿った例会テーマを掲げ、経営資源として人・物・金・情報と言われますが、この分野が基本テーマになり、その時点の市場経済・経営環境を踏まえた例会作りがなされているかと思います。そのなかで、例会に取り上げにくいのが“金融”の問題ではないでしょうか。私の所属地区では、07年度の例会で“金融”を取り上げました。金融アセスメンバーのFMCオフィスの金原義彦氏を報告者に迎え、『金融機関とうまく付き合う法』をテーマに実施した内容を報告します。先ず、@数字に強くなるA会社をきれいにする。これは、無駄を省き、段取り良く、合理的に仕事を進め、常に創意工夫(カイゼン)し、計数管理(仕組みを理解)を行うことで適正利益を追求する必要があります。
数字を把握する
そのなかで、B/S(貸借対照表)・P/L(損益計算書)・C/F(キャッシュフロー計算書)の仕組みを理解し、資金の運用と調達状況を把握することも必要となります。そもそも、融資のポイントは、@資金使途、A返済能力、B担保力であり、適正な返済能力とは、「税引き後利益+減価償却費=1年間の返済に回せるお金」です。また、有利子負債月商倍率は、「有利子負債÷平均月商=6ヶ月以内」に抑えることが望ましいのです。結論として、貸借対照表・損益計算書は過去の実績、キャッシュフロー計算書は現在の業績、経営指針・経営計画書は将来あるべき姿です。これらの計数管理を行うことで金融機関に、従来の「定量評価」に「定性評価」を加味した経営者としての資質・技術力・販売力などの事業の将来性をアピールできます。皆様の地区でも『金融』を例会テーマに取り上げ、金融アセスメント制定活動への認識を再確認して頂ければと思います。
(株)エコシステムズ 内野 孝幸