金融アセスだより
第18回
改めて考えてみると
2005年4月「ペイオフ解禁」、当時はどういった対策が必要なのか、金融不安から非常に敏感になっていたことを覚えています。あれから3年経った今、金融機関のM&A、不良債権処理も進み銀行が破綻するということを真剣に考えなくなりました。そして今回、経営難が続く新銀行東京のずさんな融資、管理体制が明るみに出て存在が危ぶまれ、万が一破綻ということになれば、国内初のペイオフが発動されることになります。新銀行東京は、中小事業者の支援及び地域経済の活性化に貢献することを基本理念とし、「ほんとう」の相談相手、「永く安定」したお取引、「簡単かつスピーディ」を基本方針に掲げています。これは、土地担保至上主義から脱却し、「中小企業への無担保融資」を理念として設立され、いずれは地域経済に還元され活性化に繋がるはずでした。この原稿を書いている時には、東京都の追加出資ということで「ペイオフ」発動には至らないようですが、今後の不透明感は隠せず、再建できなければ結果は同じ事になると思います。
私達の求める金融機関
私は、この金融アセス推進プロジェクトに参加し、中小企業と金融機関の関係について勉強するようになり、中小企業が求める金融機関とは、まさに先に述べた新銀行東京の理念に通じるものであると思います。それは、単なる取引先金融機関ではなく、パートナーとなる金融機関を作ることが中小企業の発展に繋がり、そして安定した経営に繋がります。愛知県の中小企業にとってこの新銀行東京の問題がどう影響してくるのか分かりません。しかし、これを機に「ペイオフ対策」を再度見直すと共に、金融機関との関係を構築していく中で、我々の情報開示だけでなく金融機関の経営状態、情報の把握にも努めなくてはいけません。この事から、リレーションシップバンキングの在り方をあらためて検証する必要があると感じました。
小関会計事務所 小関剛史