金融アセスだより
第19回
増える倒産件数
帝国データバンクが2008年4月8日に発表した「全国企業倒産集計」によると、07年度の負債額として1000万円以上の倒産件数は、06年度比18.4%増の11、333件で、01年度以降で最高の数字となりました。そして負債総額も同5.2%増の5兆5322億8600万円と増加に転じています。倒産件数はすべての業種で06年度に比べて増加していますが、建築基準法改正の影響が大きい建設業(3043件、06年度比14.2%増)や小売業(2140件、同28.1%)が目立ちました。また不況感や原材料高による商品値上げなどの影響から、個人消費の低迷による販売不振による倒産が増えています。また業歴30年以上の老舗企業や企業の規模では中小・零細企業や個人事業主などの倒産が増加し、「不況型倒産」の合計は8779件で、06年度を21.8%も上回りました。
倒産を防ぐ条件
倒産を防ぐ必要条件は「資金繰り」です。黒字でも資金繰りがつかなければ倒産、赤字でも資金繰りがつけば倒産しません。資金(現金)がショートしないように、資金の「入」(売上代金・利息・配当金等)と「出」(仕入・給与・設備投資・その他経費等)のバランスを常にわかる状態にするためにキャッシュフロー会計をしていく必要があります。
黒字型企業づくり
「同友会らしい黒字型企業づくり」をめざすことを県総会で活動方針として発表されました。その具体的な取組みとして、まずは「決算書」で過去を分析し、月次損益をきちんと出し、先の「キャッシュフロー会計」で現状分析をする。そのことにより、突然の外部環境の変化(原油高・建築法改正など)に耐えうる状況を作りだし、未来につながる「経営指針」にとりくむことを、金融アセス委員会では勧めています。
(株)トレネッツ藤掛誠一郎