どうゆうき

愛知同友会の知り合いの会員が、中国内モンゴル、クブチ砂漠の恩格貝で植林してこられたと聞き驚きました。植えるのは主にポプラで成長が早く、5年で樹高15メートル、樹径13センチメートルにもなるといいます。ついで障子松で砂漠の気候に良く適応し、耐寒・耐乾燥性が強く、水分の少ない土地でも生育するとあります。井戸ができ5人だった人口はいまや2000人となります。草が生え、ネズミやウサギなどの小動物も増え、生計を支える羊も飼えるようになります
▼私は読んだばかりの元ブラジル東京銀行頭取、鈴木孝憲著「ブラジル〜巨大経済の真実」を思い出しました。ユーカリの植林技術が凄く、70年代から紙パルプ、セルローズ生産の一環として行われ、植林してから工場で使える原木に生育するまでに7年間と、他国では考えられない早さです。日伯紙パルプ資源開発のセニフラ社では原材料のユーカリをすべて同社で植林し、原木からとった樹皮はボイラーで燃やして自家発電を行い、余剰電力は近隣市町村へ配電、外部からの購入電力はないそうで、ユーカリの植林は七年ごとで理想的な生産サイクル体制となっています
▼次にブラジル中央部の低灌木地帯セラードの農業開発。雨季が不規則で何も採れない地域でしたが70年代半ばに日本が農業開発に資金面、技術面で協力、土地の改良と灌漑が実現し、無収穫の所から世界の大豆の10%が収穫されるようになりました。ブラジルの世界輸出ランキング2位は冷凍鶏肉などのブロイラーで、牛肉の輸出も世界一。これらのように自然の生命力を生かしていくことが、今後、日本でも参考にすべきではないでしょうか。

顧問 江崎信雄