金融アセスだより
第22回
金融を知る
私は後継者として同友会に入会し、会社の売り上げを伸ばすことや経営環境をよくすることを考えるようになりました。その後、資金繰りを任されたところ、金融の知識がなかったため金融機関との交渉に苦労していました。そんな中、金融アセス委員会を紹介していただき参加しました。私は会社に格付けがあることも知らず、自社がどのランクかも分かりませんでした。自分は無知で、会社のためには金融を知ることがいかに大切かを思い知らされました。現在金融に関して中小企業を取り巻く環境は、都銀の統廃合が一段落したところに今後は、地銀だけでなく信用金庫や、信用組合の統廃合も進むと予想されています。そうなれば統廃合後の金融機関から「正常先」と判断されればいいのですが、そうでない場合、設備投資・運転資金の調達、借り換えの際に今までのような迅速な対応が期待できません。よってこれから取り引き条件が厳しくなる可能性があるのです。
特徴と仕組み
そのような中、金融機関と交渉していくには、金融機関の特徴や融資の仕組みを知る必要があります。また自社を分析し、中長期的な視点から「モノ」をいえる経営者にならなければなりません。そのためには、私たちも知識と情報を得る必要があります。後継者は営業などの日々の業務に時間を取られ金融に疎い、または接する機会が少ない傾向があります。しかしそんなことは理由になりません。同友会3つの目的に沿った会社を目指すには経営指針・ビジョン・計画が必要です。金融・財務の知識は経営計画を作成する際には切り離せません。「人・物・情報」を重視しがちですが、「金」を含めてバランスよく保つ必要があります。金融アセス委員会では、過去の活動成果を閲覧できるほか、金融の現状を把握し分析して会員に情報を発信しています。その中で活動することは金融の知識を深め、多くの情報も得ることが出来ます。自社のため、中小企業全体のために今から金融の勉強をみんなで取り組んでいきましょう。
(株)ミカワ遠山健一