金融アセスだより
第23回
激しい価格競争
私達、中小企業を取り巻く経営環境は厳しくなってきています。原油・穀物相場の高騰から始まり素材、原料価格の値上げは各業種、業態で多大な影響を受けています。その中で企業は、売上げ減を覚悟で売価を上げるか、内部吸収し粗利の減少に耐えるかの苦渋の選択を差し迫られてきています。その一方で国内市場は成熟化して、価格競争が激しさを増している業界は少なくないのが現状です。このような激しい経営環境の変化の中で、受身の状態で待っていても状況は悪化していく一方です。そこで最も重要なことは、どのような戦略を打つかと言うことだと思います。自社の現状の経営環境を把握したうえで、コスト削減、販路拡大、商品(製品)開発、設備投資、ロス削減などの経営戦略を具体的に計画して実行していく。まさに同友会の推奨する経営指針書の成文化とその実践です。
存在意義を明確に
会社の存在意義(経営理念)を明確にし、5年後、10年後のビジョンを描き、環境変化に合わせ方針・戦略を打ち出し、いつまでにどれだけやるのかを計画し実行する。この魂のこもった経営指針書を取引金融機関へ見せることにより、お互いの協力体制がより一層強いものになると思います。とはいえ実績を出さなければなりません。2期連続で赤字を出せば金融機関からの評価・格付けが悪くなり、貸し渋りの状態を免れなくなります。経営指針を掲げ、実践し、成果(黒字)をあげることにより、取引金融機関との信頼関係を築くことができ、良好な関係が築かれる。いわゆるリレーションシップバンキングの強化が今後の中小企業発展の大きなカギとなると思います。
スギ製菓(株)杉浦敏夫