金融アセスだより
第24回
公的資金を確認
アメリカの投資銀行破綻等の影響により、世界同時不況へと突入しました。そこで私たち中小企業家は、もう1度公的資金について知識を確認しておく必要があります。貸し出す機関は10月1日から再編民営化された政府系金融機関。中小企業金融公庫や国民生活金融公庫など4機関が統合された「日本政策金融公庫」(政策公庫)です。また商工組合中央金庫も民営化(2013年〜2015年で完全民営化)されます。そのほかに中小企業基盤整備機構や「制度融資」と呼ばれる都道府県、市区町村の自治体融資があります。公庫の融資は、独自に審査・貸付を行なっていますが、都道府県などの制度融資は、借りる前提として信用保証協会の保証を得なければなりません。
信用補完制度とは
信用保証協会の「信用補完制度」は、銀行などの民間金融機関が信用力不足などで貸付条件に当てはまらない個人・中小企業に、信用保証協会が保証することによって、低利な貸付を促進するものです。これは仮に貸出先が倒産した場合でも、信用保証協会が代わって弁済する制度です。「セーフティネット保証制度」は資金繰りに支障を生じている中小企業を救済するものです。対象企業は、@大型倒産発生により影響を受ける中小企業、A取引先企業のリストラにより影響を受ける中小企業、B突発的災害(事故も含む)により影響を受ける中小企業、C不況業種に属する中小企業、D金融機関破綻により資金繰りが悪化している中小企業、E金融機関の経営合理化(支店の削減など)に伴って借入が減少している中小企業、F整理回収機構に貸付債権が譲渡された中小企業で、再生可能性があると判断されたものとなります。一方、信用保証制度は、2割の責任共有制度(2割は金融機関の負担責任)になり、うまく機能するか疑問です。すでに貸し渋りが始まっているとの情報もあり、今後は、貸し渋り、貸し剥しが強まっていくことも予測されます。
(株)山繊 山本亮