第14回障害者問題全国交流会
第2分科会
9月19日〜20日
人間尊重の社会をめざして
今、できることを
田中誠氏(有)進工舎社長
差別のない世の中に
全国交流会の第2分科会では、「目指すは『誰でも働ける共生の会社』づくり」と題し、精神障害の社員を雇用している(有)進工舎の田中誠社長(理事・障害者問題委員長)が、2人の社員と共に報告しました。進工舎は電力機器の機械加工を主に手がけており、現在従業員10名のうち4名が障害者(知的1名、精神3名)です。田中氏は差別のない世の中や地域・企業にすることが目標で、それは経営者というより人間として押さえなければならないことだと考えています。
だれにでも力はある
精神障害についての理解はまだまだ広がっておらず、雇用の実績も少数です。その中で、進工舎では、現在3人の精神障害者が働いています。彼らのやる気を尊重し、障害を受け止めて環境を整えれば、十分に力が発揮できるということでした。また、雇用だけでなく実習も積極的に受入れ、この10年で20人以上の障害者と一緒に働き、どの人もできると確信を持ちました。今では、「やる気」さえあれば誰でも受け入れる自信と風土が会社にできてきました。当事者の社員2人からは、50歳を越え初めて人生のスタートラインに立てた、仕事で1人前になったらさらに仕事以外のことにも挑戦したいなど、「働くことは人生そのもの」であることがひしひしと伝わってきました。
私達ができること
討論では、障害者も含め誰でも一緒に働ける会社にするには、まず社長の考えがしっかり据わること、そして社長と社員・社員と社員との信頼関係があること、やる気を大切にした環境づくりがポイントだと確認されました。田中氏は、障害者は保護するのではなく機会が必要であること。人間尊重の経営を目指している会員企業には、実習を受け入れることから踏み出していただきたいと締めくくりました。