金融アセスだより
第26回
金融寺子屋を開催
11月27日、全国信用金庫研修所参与の相川直之氏を講師にお招きし金融学習会を開催しました。まず、相川氏より、現在のマクロ経済について伺いました。サブプライムローンに端を発した今回の不景気ですが、元より地方の地銀、信金は優良な貸出先が少なく、勢い、高格付で保証会社の保証が付いている証券。いわゆる「サブプライムローン」を購入していて、それが損失となり、貸し出し余力を奪ってしまいました。そして、金融機関同士が資金を融通し合う市場はお互いが疑心暗鬼となり、お金が回りません。これは信頼関係がなくなってしまった状況と言えます。また、金融機関は、スコアリングによる貸し出しと、バブル期以降の不景気によるリストラのため、会社の数字にでない部分の把握ができない状態で、貸し出しの評価をせざるをえないと言うことです。これでは、せっかく信用されるはずの経営をしていても、評価が低くなってしまいます。
金融機関との信頼関係を深める
では、我々はどのように金融機関とつきあえばいいのでしょうか。まず、支店長や次長と言った店舗幹部とのコミュニケーションが必要です。そして、そのツールとして、経営計画がないとコミュニケーションは進みません。過去には、決算書を元にした評価が主体でしたが、時代は変わり、銀行も変わっています。その中で、信用関係を築くには、金融機関を招き、経営指針発表会を開催することが選択肢のひとつになります。
支援策の活用
この時期、金融機関は、既に3月末の決算を見据えています。そして金融機関は、このところの市場低迷により、貸したくても貸せないという状況に陥っています。こういった情勢を知らないと、いくら経常利益が出ていても、いざというときにお金が借りられなければ会社が倒産してしまうことになります。激変する経営環境の中、行政もいろいろな支援策を講じています。「原材料価格高騰対応等緊急保証」の対象業種が618業種に増え、間口が広くなったのもその一つの例です。また「セーフティネット貸付」の貸付枠が10兆円に増額されました。直ちに資金が必要でない企業には、「予約保証制度」も創設されました。こういった情報に触れるためにも、積極的に学び、金融機関との信用関係を深めていくことが重要といえます。
安藤不動産 安藤寿