金融アセスだより
第28回
冷え込む消費心理
底の見えない急降下を続けている景気情勢の中、確実に企業倒産件数も増えています。上場企業も2009年度は7社に1社が赤字という状態となり、倒産件数は34社という未曾有の事態に陥っています。この背景には、米国型金融システムの崩壊に端を発した世界不況から、急激な円高、株価の下落等が実体経済に影響していることは言うまでもありません。しかし、メディアによる過度な報道により“モノを考えることを失った消費者”の思考がマイナス傾向に陥っていることが、食品業界・サービス業等の業績悪化に拍車をかけているとも言えます。
支出の削減と事業計画の策定
昨今、政府から様々な緊急支援策が施行されていますが、どれ程の効果や雇用の確保が期待できるのか。これから、更なる中小企業倒産が急増する恐れがあり、延命処置では決して問題解決にはなりません。今する事は売上減でも維持できる経営体質の再構築です。そして自社の財務管理を確実に行ない、短期的な支出の削減と新たな事業計画の策定が重要です。経営者はこの姿勢がなければ金融機関は勿論、社員や取引先にも方向性を示せません。次なる一手を効果的に打つには日々の情報収集と管理会計の徹底が必要不可欠となります。自社に何が重要なのか認識し、その為の施策を選択することが、この難局を乗り切る上での第1歩です。
(株)アートフレンド 近藤正人