金融アセスだより
第30回
経営者の在り方
今年度の公示地価の発表では、下落率ワースト10のうち9地点が名古屋地区と、昨今のトヨタショックや、サブプライムローン問題が現実化している事が浮き彫りとなりました。このような状況下において、自己資本が乏しくなる金融機関においては、ますます「貸し渋り」の加速が予想されます。ところで、皆さんは自分の会社の格付けをご存知でしょうか。これだけ経済の情勢の変化が早い社会の中で、現状の自分の会社の格付けを知ることは、中小企業経営者にとって大切なことです。一般的に、金融機関は融資先企業を5段階に格付けし、格付区分によって貸倒引当金を損金計上しています。参考データですが、この貸倒引当金は融資金額に対し、正常先0.2〜0.3%前後、要注意先3〜4%前後、要管理先15〜30%前後、破綻懸念先55〜75%、破綻先・実質破綻先100%。この数値を計上しなければならないと言われています。
金融機関の対応が変わる
実は、私は今まで金融について全く無知でした。金融機関とのやりとりや、融資制度の仕組みも全く知りませんでした。今思えば、中小企業の経営幹部として恥ずかしい限りです。同友会に入会し、金融アセス委員会に参加させて頂いてる今、自社の格付けを知ることができ、以前と比べると金融機関担当者の態度がまったく変わってきました。最近では金融機関側から様々な情報提供を受けられるようになり、コミュニケーションスキルが上がりました。これは以前では考えられなかったことです。これも委員会に参加して勉強した成果だと思います。私達経営者に求められることは、必要な情報を得て、それを実践することだと実感しました。厳しくなると予想される今後、学ぶことにより自社の環境が変わっていきます。
(株)エムケー 山田希