障害者問題委員会
就労実習を受け入れて
人を大切に、地域に根差して

 

愛知同友会では、名古屋市の精神保健福祉センターから、うつ病で離職している15名の実習生を会員企業7社が受け入れました。実習の目的は社会復帰前の力試しです。毎年、障害者の実習や雇用の受入企業を広げ、すべての人が人間らしく働き生きる企業づくりにつなげています。
今回初めて体験した企業も含め、2社の実習の様子をご紹介します。

引き出される人間味

(有)アーティストリー (水戸勤夢社長)

 

初めて実習を受け入れ、木製家具づくりの実習をしました。実習終了後、水戸社長がまとめた社員の感想には、「初めて人を教える経験ができ楽しかった」「丁寧な仕事をありがとう」「大丈夫、自信をもってやれば問題ない」など、思いやりあふれることばが並んでいました。

社長は、実習生が朝礼で読み上げた感想に感動したり、実習生を励ます社員の姿に温かさを感じ、良い雰囲気をみんなで経験できたと振り返ります。

目指すのは、人間関係が協調性を生み出し、個性と創造性が発揮され、思いやりやアイデアのある商品を造り出す会社です。今回の実習はその一環となりました。

モノづくりの情熱と誇り

(有)進工舎 (田中誠社長)

 

意欲ある誰でもが働ける会社を目指す田中社長は、毎年さまざまな障害の人たちの実習にトライしています。今回は二十代の女性がNC旋盤を使って機械加工の実習をしました。

実習生の感想を読み終えた時、社長は胸が熱くなり、すぐに社員に読んでもらいました。それはモノづくりに関わるすべての人の励みになると思ったからです。実習生の感想には次のようなことが書かれていました。

「最初はまったく経験のない業界、また女性従業員がいないと聞き心配でしたが、挑戦したい気持ちも大きく、何より父の後押しがありました。父はエンジニアで職人の仕事への情熱や誇りをよく知っていました。進工舎の皆さんが丁寧に仕事を教えて下さり、日頃何気なく見ていた部品が多くの工程を経て完成すると知り、仕事が楽しくなって来ました。日本を支えているのは誰なのかわかりました」

実習は、新しい気づきと発見を企業にもたらしてくれます。