どうゆうき

▼「労使見解」より学ぶことをご紹介します。「労使見解」は、中同協が発表した1975年から数えて35年の時を経ました。最近は労働組合も影を潜め、時代に合わないなどの声が会内にも聞こえていましたが、ここ数年の状況を見ると、そうとばかり言えません

 

▼日本は、世界でもアメリカに次いで貧富の差が激しいと言われています。最近は格差社会といわれ、子供の教育が親の収入により決められ、社会的な身分の固定化まで囁かれています。こんな状況がさらに進行すると、労働現場では労使間の対立が再び顕在化する可能性も出てきます。これにより「労使問題」が特に中小企業の経営の課題として浮上する可能性が高まっているといえます

 

▼同友会会員の私たちは、先輩のまとめた知恵「労使見解」を良く学び、自社の経営に活かすことで乗り切れると思います。第1に「経営指針書」を社員と共につくり、共に経営を行う事。その為には経営者の経営姿勢を明確にして、社員の共感を得る関係づくりが大切である、と「労使見解」には書かれています。この最も初めに書かれている事だけを振り返っても、自社で十分実践できているでしょうか

 

▼企業という組織が何らかの成果を得るために活動する時は、誰にでもわかる簡単な事であっても実践するとなれば大変なものです。大切なのは、難しい内容を記憶することではなく、経営者が自分の社員と当り前の人間関係を築き上げること。その大切さを示してくれるのが「労使見解」です。経営者の基本姿勢を考えさせてくれる数少ない傑作だと思います。

 

副代表理事 青木 義彦