障害者問題委員会(6月29日)
笑顔で働ける会社へ 〜うつ病の学習会
青木 邦子氏
精神障害者地域生活支援センター 親愛の里そよかぜ 所長

正しい理解と対応を
現代の労使関係における悩みの1つに「うつ病との出会い」があります。うつ病を正しく理解し、経営者の心構えや社内の対応を学び、企業風土づくりの一助になることを目的に学習会を開催しました。
報告者の青木氏は、精神障害者地域生活支援センターで多くの方々の支援に携わっています。その現場体験から具体的事例を盛り込み、精神障害になりやすい人、うつ病への理解、接し方などを分かりやすくお話しいただきました。
質疑応答では予定時間を超えて自社での悩みや接し方、取り組み等について質問が出され、現代においては身近な問題であると実感しました。
相手の心に寄り添う
うつ病の増加は、価値観の多様化や社会の流れについていけず、情報過剰の中で自分自身を見失い、就職や結婚など他人と深く関わる場面でつまづいてしまうことが要因にあるようです。また、どのような時、何がきっかけで、どうなっていくのかを知ることで、周囲はより確かな支援ができることもわかりました。
回復傾向にある人が次の一歩に踏み出せた時、周囲は「よかった」と励ましがちですが、肝心なのは、踏み出せたその人自身がよかったと思えているかどうかということです。「相手を受け止め、心に寄り添う」ことの深さに気づかされました。
会合の終了後、「社員への見方が180度変わり、まだ打つ手があるとわかった」という感想も寄せられました。地域に根ざす中小企業は、人が育つ環境全体を考えながら、なお一層「共に生きる」ことの理解を深め、実践していくことが必要だと思いました。
(有)JOY total planning 長谷川 祐里