名古屋第4支部例会(8月23日)
めざせ元気な会社!〜事例に学ぶ中小企業の強み

中沢 孝夫氏 福井県立大学経済学部教授

 

約140名が中小企業の強みを学び会う

中小企業は適正サイズ

「めざせ!元気な会社」〜事例に学ぶ中小企業の強み〜と題して、名古屋第4支部8月合同例会が開催され、144名が参加しました。

今回は中沢教授を招き、「元気な会社」に共通する事例をお話しいただきました。

中沢氏は、製造業を中心に約1000社の聞き取り調査で具体的な事例を足で集めて研究しています。講演では「元気な会社」が共通して行っている経営努力や経営者の考え方、中小企業だからできる事をお話しいただきました。

中小企業の政策を立てている偉い方々には、中小企業は、「まだ」大きくなれない会社と認識されています。しかし、中沢氏は「中小企業とは必要なサイズの会社」であるといい、深く印象に残りました。

更に、会社としての「目標」や「理念」があるか、また、それを社員と共有できているかが重要といったことが伺えました。

中小企業は地に根を張る植物

会社を評価する基準として「継続性」「収益性」「定着性」の3つがあります。

大企業は「儲け」のあるところへ移動していき、時には会社の場所まで移動する様から「動物」と言えます。一方、中小企業は大企業のように安易に会社を移すことができないことから「植物」である、と中小企業と大企業の違いを説明しました。

また、進化しない会社は危ういとして、人材育成を行うよう呼びかけました。人材については、(1)誰にでもできる仕事を行う人、(2)とりあえず任せることができる人、(3)その場の全ての仕事ができ、工程上の管理やトラブルの対処もできる人、(4)相手との案件の相談ができて、場合によっては案件そのものを考え出すことができる人の4つに分類。(3)と(4)の人間を増やすことが会社の成長に繋がると語りました。また、(2)や(3)の人間に難題をぶつけると、それを乗り越えたときに達成感が生まれ、より成長していくとのお話もありました。

 

最後に、経営の基本として「心の中に鬼を1匹飼う」ことを提言。経営者は苦渋の決断を迫られることがあります。しかし、厳しい選択においても決断し前進していかないと、全てが回らなくなってしまいます。それを肝に銘じるための「心の鬼」のお話で締めくくりとなりました。

 

(株)丸富 秦 康洋