三河支部−金融例会(9月30日)
借り手のスタンス作り

由里 宗之氏 中京大学教授

 

地域金融機関の取り組み

三河支部金融例会が金融委員会の協力のもと開催されました。当日はテーマを「地域金融機関との取り組み姿勢と中小企業の借り手としてのスタンス作り」と題し、中京大学総合政策学部教授の由里宗之氏をお招きし、実例を交えた報告に参加者は惹きこまれていたようでした。

リレーションシップ・バンキング(人間関係重視型の金融、地域密着型金融/以下、リレバン)は、同友会でも金融アセスメント運動を通じて積極的に取り組みを続けています。

リレーションシップバンキング

現状としてメガバンクや大手地銀では、グローバル・スタンダードを求められるゆえ、リレバン的視点は弱いのが実情です。

対して、中小地銀、信用金庫、信用組合など、地域に根差した金融機関では、金融検査マニュアル(別冊)にあるように経営指針の確立など企業の中身を重視した柔軟な貸出し姿勢が取られているということです。

しかしながら、金融機関から、リレバンを引き出すためには、私たち中小企業者側が自ら襟を正すことが前提として大切です。自社で資金繰り表と決算表から、実績数字をつかみ、計画表を作ることで自社の未来の姿を説得力を持って金融機関側に伝えることが求められます。

現在の超円高は、長期継続の気配を醸し出し、平成以降の国内のデフレ傾向も継続、むしろ加速の予感さえ出てきています。

私たち中小企業にとって、厳しい時期はまだ続くことが予想されますが、厳しい時期こそ、リレバンを金融機関から引き出し、自社の未来を金融機関とともに考えられる関係づくりが求めらます。

 

三河支部−経営者の集い(9月9日)
ストーリーを語れる企業に

伊藤 智啓氏 (株)蒲郡製作所

 

超精密サプライズ加工

三河支部経営者の集いが、約80名の参加で開催されました。報告者に(株)蒲郡製作所の伊藤智啓氏を迎え、「超精密サプライズ加工」を武器に中小企業だからこそできる会社づくりを進めてきた経営体験が報告されました。

中小企業家にとって「激動の時代」である中、伊藤氏は鶏口牛後の精神を大切にし、たとえ小さくとも「キラリ」と光る会社をつくることを真剣に突き詰めてきました。

また自社の強みを磨き上げるとともに、その強みのインターネットを通じた情報発信を積極的に行い、IT経営100選に選出されるなど、先駆的取り組みに大きな注目が集められています。

仕事の可能性を拡大

現在では、「ストーリーを語れる企業」を目指し夢を語り続けたことが、世界的プロジェクトALMA計画や、産学官での世界初の人工衛星づくりの参画につながるなど、自社の強みを活かした仕事の可能性が広がっています。

社員と共に夢を語り、新しいこと、困難なことに果敢に挑戦し続ける伊藤氏の姿は参加者に勇気を与え、まさに「激動の時代」を「乗り越える」はずみが付けられた例会となりました。