金融アセスだより(第49回)

再生計画は魂を込める

今年は金融支援円滑化法によって多くの企業が銀行借入のリスケジュールを行っています。これを行うにあたっては再生計画が必要になります。この再生計画は「絵に描いた餅」では駄目です。何がなんでも生き残り、やりぬく決意が必要となります。

しかし、金融機関にヒアリングしてみると、多くの中小企業でこの計画すら立てられていないようです。金融機関もすべての会社の計画を作文するのは無理なようで、サポートの限界を口にしています。このままでは、12月から3月には企業倒産が増加することが予測されます。

金融機関の担当者を経営のブレーンに

厳しい金融環境に対応するため同友会では「管理会計講座」が開催されています。この講座の目的は、自社の決算書を読めるようになること。次に、簡単な経営指針書の作成。そして、会計事務所との関係改善。さらに、銀行への業績報告や計画説明の習慣化。最後には、同友会活動のなかで経営の議論ができるようになることです。

特に、経営者の近くにいる会計事務所の担当者、銀行の担当者を経営のブレーンに引き込むことは、人材の限られている中小企業にとっては非常に有効だと思います。

 

大板会計事務所 大板 一志