賃金学習会(10月22日)
中小企業と賃金問題 〜『労使見解』の精神に立って

八橋 昭郎氏 八橋社会保険労務士事務所

 

賃金とは?

労務労働委員会で賃金学習会が行われました。

これは昨今の厳しい情勢を受け、多くの企業が賃下げを余儀なくされ、賃金に対する問題意識が高まるなか、『労使見解』の精神や法令遵守の立場に立ってどのように対応すべきかを考えるという主旨でした。

今回は2回シリーズの第1回目で、八橋社会保険労務士事務所の八橋氏を報告者に迎え、「そもそも賃金とはなんなのか」に焦点を絞って学びました。

賃金とは、労働の対価として使用者が労働者に支払うべきものを指します。それは労働者とその家族の生活を保障するものであるという性質を忘れてはいけません。

これを踏まえ、賃金の支払いを保障する経営計画を持つことが肝心だと八橋氏は述べました。また、1人でも人を雇うのなら、企業規模に関係なく就業規則が必須なことの確認がなされました。

信頼関係が大切

不況下で賃下げが不可避になった場合、「なぜ賃下げをせざるを得ないのか」というきちんとした説明を全社員に行うのはもちろん、日頃からの誠意ある対応と信頼関係づくりを行う重要性が強調されました。

グループ討論では、外部環境が思わしくない中での賃金カット、時間外労働などの課題への関心が高く、具体的な事例が出されました。

参加者からは「何が法令違反に該当するのか基本が分かっていなかった」、「就業規則の必要性に気づけた」、「社内が一丸となって問題を共有し、解決していくことが大切」という意見が出されました。