どうゆうき
▼21世紀の最初の10年が過ぎ2011年がスタートしましたが、経済面では危機からまだ抜け出していません。新年を迎えても、住む家のないハウジングプアといわれる人々はどうしているのでしょうか。生活保護家庭の増大や子供の貧困が問題となっています
▼私の弁護士事務所の法律相談でも、労働相談の件数は増加の一途です。リーマンショックに端を発する経済危機のもとで、雇用・労働問題は深刻さを裏付けるものになっています。自動車関連や電機などの大企業のリストラや工場閉鎖、海外移転、下請け単価の切り下げなどの影響を受けた中小零細企業で働く労働者からの相談が増えています。年代では20歳から60歳と幅広く、経営が圧迫されている中小零細企業に働く正社員にしわ寄せがきているのでないかと感じています
▼相談内容は、賃金・残業手当の未払いや採用取り消しトラブルが多く、経営者からの相談も増えています。ある事業所では、試用期間後に「不採用」を通知したところ労働者側から「不当」といわれ、個人加入の組合から「賃金未払いの申し入れ」があり、就業規則も退職金規定もなく、慌てて対応することになりました。また、人材派遣会社から採用紹介を受けて面接し、採用の通知後に取り消したら損害金を請求されたなどの事例もあります
▼中小零細企業であっても、日頃から諸規定を整備しておくのが最低のルールです。中小企業憲章を推進する同友会の会員であれば、なおさら社会的責任として「労使見解」に基づく労使の正常な関係づくりを果たして欲しいと思います。
相談役 立木 勝義