名古屋第3支部例会(1月20日)
2011年ってどんな年?

真田 幸光氏  愛知淑徳大学教授

 

今年のキーワード

リーマンショック後の昨今。マスコミでは景気回復が報じられていますが、中小企業を取り巻く環境は厳しい状況が続いています。そんな中で、今年の展望を求め多数の方が参加しました。

現在の国際情勢について愛知淑徳大学の真田教授は、イランの軍拡の動向次第で、米国・中国の経済状況に変化が生じると述べました。不安材料として、米国はドル安、中国は政治の不安定がまだ続くとの分析です。中小企業にとっても、国際情勢の不安定が経営に影響することを認識して欲しいと語りました。

そのような状況下で、今後中小企業が生き延びていくには、(1)少量多品種、(2)ハイクオリティ、(3)ハイマージンを追求する必要があります。大量生産は今や海外の企業に勝ち目がなく、国内産業で勝負するのであれば、ハイクオリティでハイマージンの形態を取らなければならないことを強調しました。

未来図の提案

国際競争の中で勝ち抜くには、既存の殻を脱ぎ捨て思い切った戦略を検討しなければなりません。今後の中小企業に期待したいことは、本業の利益である営業利益を拡大することだと真田教授はいいます。

そして、その営業利益を拡大するためには、コスト削減ではなく売上拡大を図り、経済のパイそのものを大きくすることに注力すべきであると述べました。

日本は優れた中堅・中小企業が日本全国、様々な業種にパッチワークのように存在する国となって、比較競争優位性を常に持ち、不況の波にも強い国家となって、生き残っていくべきであると未来図の提案がありました。

続いて行われたグループ討論では、報告者に対する質問も出されました。「今後の愛知県の景気回復についてどう思うか」や、「中小企業に対する国の政策に期待ができるか」など、見解を求めました。

私たち中小企業にとっても、国際情勢が及ぼす影響が大きいと感じさせられた例会でした。

 

三幸理研工業(株) 三枝 義典