金融アセスだより(第53回)
常日頃から備えが必要
今年2月の倒産件数は前月比で9.4%の減少となり、19カ月連続で前年同月を下回りました。月次ベースで1000件を下回ったのは2005年9月以来、5年5カ月ぶりです。
しかし、その実態は、景気対応緊急保証制度や中小企業金融円滑化法などの金融支援策により企業倒産が封じ込まれている状態でしかありません。
中小企業金融円滑化法も来年3月まで1年間延長されますが、貸し出し条件の緩和について2度目3度目の見直しを要請する企業が続発しており、先行きの不良債権化が懸念されます。
また、景気対応緊急保証制度がこの3月末で終了します。これによって懸念されるのが、景気回復局面にある中小企業の倒産が、春から急増することです。
私たちは必要なときに金融支援が受けられるよう、グローバルな視点を持った中長期の経営計画を打ち出し、常日頃から適度な危機感を持って経営に臨まなければなりません。
金融委員会では2011年度も引き続き、会員企業の「黒字経営」を恒久的に行えるよう支援を行っていきます。興味のある方は委員会にご参加下さい。
(株)長大商事 長谷川 睦