金融アセスだより(第54回)

学び続ける

私は今年度よりこの委員会に出席していますが、当初はわからない事ばかりで苦慮していました。

管理会計講座に参加して自社の決算書から利益計画の立て方を教わりました。銀行との付き合い方にも経営計画に対する報告とコミュニケーションがいかに大切かが理解できました。この学びで昨年末の借り換え時もスムーズに行うことができ、感謝しています。

中小企業の危機管理

為替変動リスクを避けるため銀行から「為替デリバティブ」と呼ばれる金融商品を購入した中小企業が、急激な円高で逆に損失を膨らませ、倒産にいたるケースが出ています。

為替デリバティブは、為替レートの変動による損失を防ぐため、企業が事前に決めておいた為替レートでドルを買うことができる商品です。07年頃までは円安水準での契約が多かったと見られますが、08年のリーマン・ショック後は円高が進み、企業は不利なレートでドルを買わなければならなくなりました。また、これを中途解約すれば多額の違約金が発生します。

 

なぜ為替デリバティブの損失企業が多いのでしょうか。これは、企業側の為替デリバティブに対する知識と、平常時からの危機管理能力の欠如が招いた事態だといえます。

平常時から適度な緊張感を持ち様々なリスクを想定するためには、国内や目先の小さな市場のみならず“金融”というキーワードからマクロな視点を持ち続ける事が大切なのです。

 

(株)マルトヨ 本間 勇夫