金融アセスだより(第55回)
数字には意味がある
私は工業用プラスチック部品を製造している会社の2代目です。同友会に入会して5年、経営指針に取り組んで3年になります。昨年から地区の役員として金融委員会に参加するようになり、その内容が想像以上に刺激的であったため正式に委員になりました。
初めて経営計画を作成したのは、新工場を建築する際に融資を受ける時でした。当時は担当者にアドバイスされるがまま、単に生産効率や売上の増加、返済原資等を表にまとめたもので、我ながらいい加減な計画だったと思います。
委員会や管理会計講座に参加して、会計の数字が会社の現状の何を表しているのか、実現可能性のある計画とは何かを学びました。理念・ビジョン・方針(戦略)がマクロ的な経済背景に基づく計画と一気通貫になって初めて真に意味のある経営計画となり、それこそが金融機関から求められるものであることに気付いたのです。また、経営における金融機関の役割についても、委員会を通じて学ぶことができました。
現在では、先代や経理担当者に任せていた日常的な金融機関とのコミュニケーションもよい方向に変化しつつあります。今後も「右手に夢を、左手にそろばんを」をモットーに継続・進化するよう頑張ります。
(有)サン樹脂加工 磯村 太郎