第14回 女性経営者全国交流会 in静岡(6月9日〜10日) 第7分科会
暮らしに根ざし、地域の発展に貢献
大竹 路恵氏 hair&beauty 路美容室
加藤 洪太郎氏 名古屋第一法律事務所

誰もが幸せに
6月9日・10日に静岡で開催された女性経営者全国交流会第7分科会に、愛知同友会の大竹氏と加藤氏が報告者として登壇しました。当日は、誰もが安心して暮らすことのできる地域を目指して奮闘する大竹氏の取り組みから、企業家が地域に根ざすことの意味、そして中小企業憲章草案を改めてとらえ直すことを目指した分科会となりました。
大竹氏の地域への関わりの原動力は、自分の大切なもの(家族)を守りたいという人間の本源的な欲求でした。そして1人の女性として、母として、生活者として、そして経営者としての想いが結実したものがマイルポストをはじめとする取り組みでした。
「絆」の再興
大竹氏の取り組みは大きく4つ挙げられます。1つ目は若者たちの活躍の場を設けることで瀬戸市の祭りの活性化を目指した取り組み、2つ目は地域のコミュニティ再生を目指した「輪食カフェ マイルポスト」の取り組み、3つめは自社の美容業という仕事を通じた地域との関わりである中学校・高校のキャリア教育への参画、4つ目は和髪などの伝統技術を生かした日本文化の伝承です。これらの取り組みの体験から大竹氏は、人間は生まれてきた限り、幸せに当たり前に暮らす権利があると訴えます。

10年後の戦略
加藤氏は、企業家が地域に根ざした活動をする意味を次のようにまとめます。「大竹さんの取り組みを憲章草案に照らしてみると、まさに前文に書かれている『中小企業への期待』を実践したものです。路美容室という会社を10年先どういう立ち位置に持っていくのか、スタッフをどういう人財に育てるのか、そして何よりも地域からの期待に応えられる美容室を目指す不断の努力の結果が、地域への関わりだったのです」。
大企業は動物、中小企業は植物と例えられますが、中小企業である限り、地域との関係は切り離して考えることはできません。今回の分科会は地域という視点から改めて憲章草案を見つめ直すきっかけとなったものでした。