中小企業地域活性化条例委員会(7月14日)
“地域に根ざした”中小企業の役割 〜八尾市の条例を現場に学ぶ

制定運動のヒントを探る
昨年の千葉県に続き、今回は大阪府と八尾市の条例視察を行いました。
八尾市の条例制定のきっかけは、1999年の中小企業基本法が改正され、中小企業振興に大きく舵が切られたことにあります。全国でも先駆的に条例に取り組んだ八尾市では、街の特色が産業集積にあるなかで、行政職員の意識も高く、条例制定に果たした行政のリーダーシップは大きなものでした。
大阪同友会八尾支部長・藤原義春氏が八尾市産業振興会議に参画するなかで行われた今回の見直しにより、前文が書き加えられるなど、八尾市の中小企業政策に関する理念をより明確にした新しい条例が7月1日からスタートし、新しい条例のもとでの新たな取り組みが期待されています。
大阪府では昨年「大阪府中小企業振興基本条例」が制定されました。大都市を抱える地域での条例制定は全国的にも珍しく、注目を集める成果です。府で条例が制定されて以降、各市町村でも条例への関心が高まっており、現在は大阪市でも条例制定に向けた動きが進んでいます。

政策のスパイラルアップ
大阪府の条例制定では大阪同友会が中心的役割を果たしました。全国的にも早くから行政との懇談会や、全行政区訪問を積極的に進めるなかで培われた地力を活かした成果でした。
これらの経験から、条例はつくることが目的ではなく、いかに継続性を持たせるのか(理念)、現状維持ではなく常に政策のスパイラルアップを目指し実行する仕組みや取り組みが肝心といえます。そして何よりも地域に根差す中小企業家自らが、地域に夢を持ち、それを語ることの大切さを再確認することができました。
今年6月に発表された「あいち産業労働ビジョン」では「愛知県中小企業地域活性化条例」の制定が明言され、愛知でもこれまでの運動が成果として実りつつあります。こういったなかで、一層私たち自らの姿勢も問われます。
愛知県がよりよい地域となり、暮らす人すべてが幸せを実感できる社会を目指し、中小企業家として地域から本当にあてにされる企業を目指して同友会理念を実践していきましょう。