共育講座−第3講座(7月29日)
社員をパートナーとして
杉浦 昭男氏 真和建装(株)

第12期「社員と学ぶ共育講座」(17社、59名が参加)の第3講座、杉浦昭男氏の報告を紹介します。
「社長とずっと一緒にやっていきたい」
同友会では、社員をもっとも信頼できるパートナーと言いますが、社員が経営者を信頼しているか分かりません。信頼される条件として、日々の生活含めて経営者が社員から透けて見えるよう、ガラス張りの姿勢でなければならないと思います。
社員の定着の悪さに悩んでいた創業当初、2人の社員が「社長とずっと一緒にやっていきたい」と言ってくれました。本当に嬉しくて、この2人を幸せにすると心に誓いました。これが同友会の「人を大切にする精神」とも重なった私の経営の原点です。
夢だった自社製品の製造販売を資金面で断念しようとした時も、「長年の夢なんですからやりましょう。社長の夢は私たちの夢でもあるんです。金は現場で稼ぎます。もしダメになったら、その時はまた一緒に足場に登ればいいだけですよ」と社員が後押ししてくれました。
自慢に聞こえるかもしれませんが、経営者と社員の夢が重なった瞬間でした。社員と共に歩んできた成果だと感じています。
人として真っすぐ向き合う
1989年、現場事故で長男を亡くしました。絶好調で有頂天になり、社員の危険を顧みなくなっていたのが原因でした。会社の全責任は経営者にあります。私も自信を無くし廃業を考えましたが、社員のお陰で留まりました。
それから2年間心を閉ざしてしまったのですが、昔のように共に語り合うことで信頼関係をもう一度手繰り寄せてきました。
当社の理念は「共に育つ」です。相互の信頼関係なくして人は育ちません。「育とうと思う心」と「育てようと思う心」があってこその共育ちです。両方の心を育てたいという想いです。
会社とは、経営者と社員が夢や誇りを共有する異体同心の営みです。お互いがひとりの人間として向き合った時、初めて厚い壁が無くなるのではないでしょうか。共に育つのは、本当に難しい。ですが、投げ出さず、理想に向かって社員と共に歩み続けたいと思います。