金融アセスだより(第59回)
生命線となる数値
仕事柄、「うち会社の経営状態は同業種の中でどうですか」と聞かれることがあります。現状把握は重要なことですが、企業ごとに状況は違い、歴史も課題も違うため、重要視すべき数値は会社ごとに違い、その数値をどう活かすかも各社で違ってきます。
数ある重要ポイントの中で、まず私達は中小企業だということを自覚するべきです。例えば金融機関の企業評価基準として、会社の財産状況に経営者自身の資産保有状況を加味して財務内容を評価するなど、大企業との違いがあります。よって、ある数値の評価が悪くても、全く参考にならない場合があるのです。
どの数値を見るか
自社にとって重要視すべき経営数値は何かを、把握することをお薦めします。各数値をそれぞれ細分化して、「社員にとって重要な数値は何か」を知るのも、経営に役立つはずです。例えば社員にとっての「必達数値」を見える化して、その数値を各社員にとっての「生命線数値」とする。そうすることで、全社的な底上げにつながります。
企業としての、さらに、社員個々にとっての重要な数値。それらを導き出すためにいち早く正確に月次決算をし、翌月の経営に役立てること。自社にとっての、また各部門、各支店、各社員にとっての「生命線」となる数値を把握して、経営に役立てると良いと思います。
浅井会計事務所 浅井 孝一