男女共生委員会―オープン例会(9月17日)
仕事(ワーク)と生活(ライフ)の調和(バランス)

自身の体験を踏まえ
少子高齢化に伴う労働人口の減少で、ワークライフバランスに取り組むことは重要な経営課題です。当日は(株)東レ経営研究所の渥美由喜氏からご自身の育児・介護経験や研究データ、社会情勢を織り交ぜながら、経営においてのワークライフバランスの正しい理解と必要性について報告いただきました。
渥美氏は2回の育休の取得や実父の介護からマイノリティ(少数派)を体験。男性に対するダイバーシティ(多様性)やワークライフバランスのメリットを痛感したといいます。
ワークライフバランスと聞くと女性のためのものという認識が大きいように感じますが、介護を機に退職・転職する人は過去5年で1.6倍に増え、現在15万人に達しています。今後10年で50万人を超える可能性もあり、こうしたリスクへの対応からもワークライフバランスの重要性は高まってきています。

新3種の神器
「明晰な頭脳、強靭な肉体、強靭な意志」が3種の神器と言われ、経営者は24時間365日働くのが当たり前と言われる時代がありました。しかし震災後、それは大きく変化しているといいます。
明晰な頭脳ではなく、予想外の出来事に対応するための「しなやかな頭脳」。強靭な肉体よりもリスクを顕在化させないための「先読み力」。組織愛ではなく、働きがいややりがいの源泉である「家族愛や次世代社会への想い」。
これが新3種の神器です。未来を見据え先手を打つ準備をすることこそ、同友会らしい黒字企業を目指す経営者の責任といえます。
誰もが人生の主人公です。ワークライフバランスは経営戦略として不可欠です。しかも、漢方薬だから服用し続けると強靭な経営体質になります。このことに経営者が気づくことが鍵となります。
ワークライフバランスに取り組むことが、労使関係を築く土台になると気づかされた例会となりました。