どうゆうき

▼日本国民の5人に1人が65歳以上という高齢社会において、その主役になりつつある団塊世代。同世代の私は「青雲の志」を抱きながらも、どちらかといえば、マズローの欲求段階説でいうところの低位の欲望に背中を押されて昭和・平成を生きてきたように思います。思いつきのように起業しながらも、偶然に入会した同友会で学ぶことで、会社を存続させてきました。そして今、最優先課題として取り組んでいるのは事業継承です

 

▼経営者としての40年間は、次々と現れる多くの課題に悩まされました。乗り越えることができないと思えた壁にも遭遇する日々でしたが、同友会の仲間に励まされ教えられ、今日まで社長の役を務めてきました。そして、2年前に還暦を迎えた今は、「来し方」よりも「行く末」を思う毎日です。高齢化社会の一員として、このままの配役で人生を送ることを潔しとしない私は、なんとしても当社の経営を次の世代に託し、新たな志を抱いて新しい人生を歩もうと画策しています

 

▼昨今の厳しい景況のなか、中小企業の事業継承には人材・業績・資金などの面で多くの課題があります。それを解決していく拠り所として私が活用しているのが経営指針書です。会社を継承していく思い、会社の将来像、課題などを明確にして、全社で事業継承の実現に取り組むことができます。社員と共に育つことを目指している同友会会員にとって、今まで以上に自社を維持発展させていく次の世代を見ることこそが目標であり、最高の喜びであると信じています。

 

副代表理事  徳升 忍