金融アセスだより(第60回)

明暗を分けるもの

現代社会が中小企業経営にとって厳しい環境ということは、周知の事実です。資本主義が成熟し、先進国の「伸びしろ」がほとんどなくなってしまった事も一因です。社会資本ひとつをとっても、中国を始めとした新興国の羽振りのよさと比べるとよく分かります。

誰もがうまく行く時代ではない、それでも儲けている会社はある。厳しい環境だからこそ、その違いがはっきり出るのです。結果を出している経営者に共通の特徴として、自社データを良く把握しているということが言えます。

5つの経営指標

中小企業において実務的に有用な経営指標は5つあります。それは、企業の運転資金の充足度を見る「当座比率」、企業の設備資金の充足度を見る「固定長期適合率」、企業の潰れにくさを見る銀行の最重視項目の「自己資本比率」、企業の競争優位性を見る「粗利益率」、企業の創造価値のうちの人件費配分比を示す「労働分配率」です。

ただ、決算書を読めれば儲かるというわけではありません。結果を出している経営者は例外なく決算書を理解しているということがいえるのです。

 

伊勢山会計合同事務所  杉本 敦永