東日本大震災アンケート(3月、5月、7月)まとめ
間接的影響は想像以上

〜「影響あり」は7月でも60%に

 

同友会のネットワークを活用し被災地に支援物資を送る(3月18日)
(左)震災アンケートをもとに行われた記者発表(3月31日)、(右)現状と今後の対応を交流した「震災対応緊急例会」(4月26日)

時系列での調査

3月調査では、回答企業の約85%が「震災の影響がある」「今後影響がある」と回答しました。今回の震災は、愛知県から離れた東北6県、なかでも宮城県、岩手県、福島県が特に大きな被害を受けましたが、その経済的インパクトは想定以上の深さ、速度をもって駆け巡ったことが見て取れました。

5月調査では、震災被害の全容が明らかとなるなか各企業での対応も進み、一定の落ち着きを取り戻した時期でした。とはいえ、サプライチェーンの復旧など具体的に改善策が打たれつつあった主に自動車関連の製造業とは対照的に、特に建設業では厳しい経営環境に直面し続けていたことが読み取れます。

名古屋市企画の陸前高田市の現地視察(7月22日)

直接取引なくても影響

7月調査は、県内経済に大きな影響を持つ自動車関連の操業も持ち直した時期に実施されましたが、「震災の影響がある」と回答した企業は全体の約60%を占め、震災発生後4カ月が経過してもなおその影響が継続していることが明らかになっています。

以上の結果から、特に目を引くことが2点あります。

中同協企業連携推進連絡会が宮城県で開かれ、農商工連携の実践を視察(10月3〜4日)

「モザイク的」産業構造に移行

1点目は、県内中小企業の取引関係の広がりです。今回のように、少なくとも国内での災害が与える間接的インパクトに、物理的距離の影響はさほど関係しないと言えるでしょう。

2点目は、愛知県経済の変容です。従来は産業構造の頂点(愛知県の場合はこれまで自動車メーカーと思われてきた)に立つ産業が活力を発揮することで、それ以外の産業群には利益のトリックルダウン(滴り落ちる)が生じると考えられてきました。

しかし今回の調査では、自動車関連が持ち直しの動きを見せていたにもかかわらず他の業種では厳しい状況が続いています。いわば愛知県経済は自動車を頂点とする産業構造から、多数の産業が割拠し、それぞれが広い取引関係を構築する"モザイク的"産業構造に移行していると推察されます。

とはいえ、自動車メーカーの県内経済に与えるインパクトが消失したわけではありません。今後はリーディング産業の強みと財産を生かしつつ、これに依存し過ぎない強い企業経営が求められているといえます。