どうゆうき
▼日本の歴史の中で大きな1ページとなった2011年もあと少しとなりました。大震災をはじめとする自然災害、原発事故、歴史的円高、少子高齢化など数え上げたらきりがなく、将来に対し不安が募ります。その中で愛知の中小製造業にとって深刻なのは、自動車産業の海外移転による空洞化の問題です。今後ますます中小下請け企業の仕事の確保が難しくなってきます
▼しかし、市場そのものが海外にありコストの面からも現地生産のニーズが強い以上、この流れは変えようがありません。また国内からだけ見れば仕事がなくなるので大きな問題ですが、現地からは歓迎される事でもあります。むしろこの流れの中でビジネスチャンスを見つけていく事が生き残りの方法といえます。自社も若手の技術者の育成を含めた国内の生産能力の向上と同時に、ベトナムでの営業と生産の準備を進めています。国内の仕事を確保するためにも海外展開が必要と判断したためです
▼現地生産によりその地域の経済が発展すれば、そこに新たなニーズが生まれます。その中には、長い間ノウハウを積み上げてきた技術でしか対応できない、高品質で高い信頼性が求められるものづくりが必ずあります。今一度、原点を見つめ直し、グローバル社会の中で世界に役立つものづくりを見つけたいと思います
▼まだまだ厳しい時代が続くと思いますが、経営者は諦めてはダメです。社員と共に新しいステージにチャレンジすることで夢も生まれ、お互いに成長し、仕事にも誇りが持てるのです。同友会の仲間で励ましあえば、その先に明るい道が開けます。
理事 高瀬 喜照