金融アセスだより(第61回)

外部環境の把握

11月2日に「第13回あいち経営フォーラム」が行われ、私たち金融委員会も第2分科会を担当しました。「外部環境の変化を味方につける経営計画」をテーマに、金融委員長の長谷川睦氏と、委員で税理士の山内新人氏から報告をいただきました。

長谷川氏からは、「自社を取り巻く外部環境(マクロ、市場、競争ほか)を把握していますか」という投げかけをもとに、それを取り入れた経営計画の実践報告が行われました。山内氏からは、税理士・会計士から見た計画の重要性や、どういった計画を立てるべきか、そして「どんな会社が倒産するか」などが語られました。

2代目・3代目社長の意思決定の遅さや決断力のなさへの指摘、また「社内で会社の未来や経営者の想いが語られていない」との言葉は、鉄スクラップ問屋の4代目社長である私自身にとっても耳の痛い話でした。さらに同友会で学び、精度の高い経営指針書や計画書を作るとともに、自社の未来に向ける思いを社内で伝えていく必要性を強く感じた1日でした。

格付けを上げる

5カ年の事業再生計画書を作るだけで、金融機関が見る格付け(債務者区分)は1ランク上がります。その計画書が合理的かつ実現可能な計画(合実計画)であると認定されれば、支援先企業として積極的に取り組むような制度を持っている金融機関もあります。

弊社も、金融機関とのリレーションシップを重視する経営を始めて4年になります。その間、顧問税理士とともに5カ年再生計画書を作り、実践する事により、日本政策金融公庫公庫からの資本性融資(劣後ローン)を受ける事ができました。

この融資が自己資本としてみなされる事で、「要管理先」だった金融機関の格付けが、現在は全行で「正常先」となっています。そのため、名古屋港の新工場開設という新規事業を進めるにあたっても、スムーズな資金調達が可能になったのです。

みなさんも税理士・会計士をパートナーとして、外部環境を味方につけた経営計画書をぜひ作ってみてください。

 

徳島興業(株)  徳島 孝志