第13回あいち経営フォーラム分科会(1)
【第1分科会】人間を成長させる自己変革
〜社長の“その気”が会社を変える
久保田 健太郎氏 (有)クボタ重興業(豊田地区)

同友会での多くの学びに地道に取り組んだ様子が伝わる報告でした。久保田氏は入会してから、増強委員、副会長、そして地区会長を務めます。地区会長の時には、同友会の目的や組織のことがわからず、他の会長に聞いたり、若い会員に混ざり経営指針講座に参加して、経営理念を作成します。亡き母親に親孝行ができなかったと思っていましたが、指針講座で「親が死んでも親孝行はできる」と気づき、「ありがとう」という経営理念が生まれました。
同友会で学び、社員への接し方が命令からお願いに変わったと語ります。社員の定着も良くなって、「会社が変わったのではなく、社長が変わった」と言われたことが印象的で、社員よりも社長が変わることが重要だと感じました。学んでぶれない経営、あきらめない経営をすること、社長が人間力をつけて社員を守るのだと、最後に力強いメッセージを頂きました。
(株)データラボ 加藤 金治(中村地区)
【第2分科会】外部環境の変化を味方に
〜金融機関の格付けを上げる方法
長谷川 睦氏 (株)長大商事(中区北地区)
山内 新人氏 山内税務会計事務所(中区北地区)

不動産業の長谷川氏は、マクロ経済を研究するうちに異業種の自動車業界は不動産と密接であるとわかったことで、新事業に進出できました。「どこで、誰に、何を、いくら、なぜ売るか」を事業計画に盛り込まなければ、外部環境の変化に対応できる自社の将来像は見えてこないといいます。
税理士の山内氏は、利益を追求し事業を継続することは企業の使命だと唱えます。そして、経営計画書にはマクロ経済の流れをしっかり掴み取った明確な目標である「利益計画」から逆算した「行動計画」が必要不可欠であり、経営者は数字に強くなる必要があると明言。そのための助言者として税理士、会計士がいることがわかりました。
グループ討論でも活発な意見交換があり、「マクロ経済を織り込んだ経営計画」の必要性が認識できました。
イスクラアセットプランニング(有) 二村 佐斗史(中区北地区)
【第3分科会】ワークライフバランスで働き方を変革
〜働きやすい会社づくりのススメ
石塚 智子氏 (有)ソフィア企画(一宮地区)
吉田 良生氏 椙山女学園大学現代マネジメント学部教授

労働人口の劇的な減少が中小企業にもたらす影響を鑑みた上で、「人生で起こりうる様々な環境変化に対応しながら、長くイキイキと働ける会社」について考えました。
椙山女学園大学の吉田先生からは、具体的な数値を用いて、確実に訪れる労働人口の減少や、少子高齢化社会が中小企業に及ぼす影響は甚大だということを解説していただきました。ソフィア企画の石塚氏からは、育児や介護の実体験をベースに作り上げた人間尊重の考え方や、仕事の工程管理やスケジュール管理の方法が報告され、働きやすい社内環境構築のヒントを学ぶことができました。
働きやすさの基準は各社で異なりますが、それらを風土として作ることが中小企業のワークライフバランス実現の第一歩だと思います。
(株)ラッシュ・インターナショナル 倉田 満美子(中区北地区)