第12期役員研修大学 第8講座(12月15日)
中小企業の政策と運動
加藤 洪太郎氏 名古屋第一法律事務所

中小企業が力を発揮できる場
私が同友会運動に参加し始めた頃、まずは良い会社・良い経営者を目指し、その後に良い経営環境に取り組もうとしていました。
政策委員長に就任後、ヨーロッパに中小企業を高く評価する「小企業憲章」があると知り、会の仲間と現地を視察。そこで驚いたのは、個人が個人として大切にされていることでした。
大企業の大規模生産ではなく、高い技術など個々人を活かすのが次の時代の本流であり、そこに、中小企業が力を発揮する最適な場所があると気づきました。そのため欧米では、起業のための教育が重視されています。
利害関係者が力をあわせる
中小企業憲章草案第9項でも、「企業家精神を学び、創業への関心をよびおこす」と課題を提起しました。わが国でも、学生が就職だけを考えるのではなく、中小企業家になるという勇気を持ち挑戦する人が多くなれば、中小企業は互いに繁栄すると思います。
今後は、こうした経営環境を根本から変革しなければ、価格競争に巻き込まれて私どもも日本にいられなくなるでしょう。
変革には、政策分野での活動が必要です。同友会の役員は、自分が良い経営者や会社を目指すだけでは充分ではなく、良い経営環境を作ることを後回しにしていては上手くいきません。互いに協力すれば、できるのです。
3つの目的を同時に目指し、ともに自分を変えていくことで新しい時代の潮流に進んでいきましょう。