金融アセスだより(第63回)
自ら考え判断
金融委員会に参加するようになって丸5年になります。当初は飛び交う単語が全く理解できず、自宅に帰ってからその意味を調べたことを覚えています。
当時は短期借入と長期借入の違いすら、よく分かっていませんでした。委員会で、借入条件について学んだときのことです。自分では、かなり良い条件で貸していただいていると思っていたものが、実はそれほど良い条件ではなかったことに気づきました。
金融機関の説明を聞いてなんとなくわかったつもりになっても、それが偏った知識であるなら適切な判断は下せません。委員会で学ぶようになって、自分がいかに多くを知らずにいたかを痛感しました。
以来、金融機関との関係づくりや金融の仕組み、マクロ経済、管理会計など、委員会での学びを社業に活かしています。以前は一行取引で金融機関の言いなりでしたが、複数行取引をはじめ、金融機関の方と積極的に話もし、おかしいことはおかしいと意志表示ができ、モノが言えるようになってきました。
対応できる備えを
この数年、政策的に資金が借りやすい状況になっていました。昨年末の金融庁の談話では金融円滑化法の期限が平成24年3月末までに延期されましたが、「金融規律の確保のための施策を講じる」とも明記されています。
政策の軸足が移ることで外部環境は大きく変化します。これまでは借りられることが「普通」であったものも、いつその手のひらが返るか分かりません。勉強を怠らず情報を集め、いざというときにあわてず対応できるよう備えておく必要性を感じます。
安藤不動産 安藤 寿