西尾張支部例会(1月18日)
日本再生は地域から!
〜中小企業憲章を自社の指針として
杉村 征郎氏 杉村精工(株)
(静岡同友会理事、中同協中小企業憲章・条例推進本部副本部長)

憲章運動へと駆り立てた訳
杉村征郎氏は1964年に父親の経営する会社に後継者として入社します。第一次オイルショック時に会社の前に赤旗が翻り労働組合ができ、団体交渉をする中で、2代目経営者として「良い会社にしていかなくては」という責任感と自覚が芽生え、思いを強く持つこととなりました。
その当時から静岡同友会の創立に携わり、労使見解やものの見方・考え方を学びます。自社では職人から技術者への意識改革や、仕事の効率化と社員の待遇改善など、会社内における二律背反な事柄を両立させることを常に追求していきました。
社長就任時には自立型企業への変身戦略として5大経営方針を掲げます。2000年のグローバル化による産業の空洞化で危機に直面する中でも、第2創業として新工場を設立し、「私たちはモノづくりのサービス業」というキャッチフレーズを掲げ、県内の優良企業へと進化していきました。
経済情勢について社員と共通認識を持ち、「会社は誰のものなのか」、「何のために経営をしているのか」を自らに問い続ける経営を貫いてきました。
社会の縁の下の力持ちである工作機械の製造という仕事柄、杉村氏は実体経済を肌で感じ、社会に対する矛盾や疑問を持ち続けてきました。
大手が過去最高の利益を上げる中、不安定就労や低所得世帯が増大。一昨年のリーマンショック時には自動車産業依存、輸出頼りの日本経済の脆弱さが表面化しました。海外経済が変調をきたすと、一番打撃を受けるのは日本だったのです。
憲章草案を自社で生かす
同友会で作成した中小企業憲章草案は、全国の会員の社会に対する夢や希望、矛盾や疑問などの声を結集し、これからの時代に望まれる中小企業像を描いたものです。中小企業憲章の理念は圧倒的多数の国民の幸せを実現することであり、その目的は中小企業の安定した繁栄、努力が報われる社会の実現です。
それらを実現するためには、当面の課題として「生きる、暮らしを守る、人間らしく生きる」を実現できる社会を中小企業家が実践し、国民の思いを代弁して訴えて行くことが必要です。そのために、私たち一人ひとりが憲章草案を自社に置き換えて考え、自ら追求していくことが大切だと思います。