金融アセスだより(第64回)
淘汰の嵐の中で
私の会社は型枠大工だった父が1967年に創業した、主に建築一式工事を生業とする総合建設会社です。建設業には様々な業態がありますが、基本的にエンドユーザーである一般個人のお客様から工事を受注する元請になります。
受注前の仕入れや商品の在庫が発生しないため、お金が右から左に流れていく商社的な仕事となることがほとんどです。また、工種毎に専門工事業者に発注し自社では生産設備を持たないため、設備投資の必要もありません。
建設業は斜陽産業でオーバープレイヤー状態。バブル崩壊以降、淘汰の嵐が吹き荒れており、当社も21世紀に入ってから売上減と低利受注で業績は悪化の一途を辿っています。この10年、内部留保を取り崩し、長短の借入金に依存して、何とか生き長らえてきたというのが実情です。
自社の存続に向け
大きな設備投資を必要としないので、資金繰り目的で長期借入金を増やすのは健全なことではない。そう気づいたのは一昨年のことでした。受注力や採算性などの事業構造を抜本的に改善しない限り、金融機関の理解や協力が得られなくなると思い立ち、金融委員会主催の管理会計講座への参加を決めました。
あいち経営フォーラムでは金融委員会担当の分科会に参加。経営指針の成文化と管理会計の導入によって金融機関とのコミュニケーションの質を変える必要があることを学びました。
昨年からは金融委員会にも参加させていただいています。まだまだ話について行くのも覚束ない状態ですが、マクロとミクロの視点を併せ持つ経営者となって末永く会社を存続させていくため、一層精進していきたいと思います。
(株)丹羽組 丹羽 剛仁