どうゆうき

▼同友会の先輩から「同友会運動は人間軽視の社会との戦いである」と教わりました。私自身、この言葉にすべてが詰め込まれている気がします。私たち中小企業経営者は、どこまでも「人間を見捨ててはならない」と思います。明治維新から現代への約140年。この国で頑張れば、衣食住を充実させ、更に物が豊かになる付加価値を得ることができた「成長国家」の時代。GDPだけが重視された時代だったと言えます

 

▼しかしこれから先は、技術力の高くない量産品はアジア各国での生産となり、「成長国家」の時代に私達が生業としていた仕事は半分なくなっていくと思います。日本はEU諸国に見られる「成熟国家」へと変貌していく大転換期に入った訳です

 

▼ブータン国王が来日した時、あっという間に広まったGNH(国民総幸福量)という言葉。迷える日本はこれに飛びつきますが、ブータンではGDPも一緒に伸びているのです。日本ではGDPに頭打ち感がありますが、価値観や経済の形が変わる今、私たち経営者は必要な結果を追求し続ける覚悟と責任を持たなくてはなりません

 

▼同友会には中小企業の視点でGNHを引き上げる考え方があります。半世紀に亘り深化し続けてきた「労使見解」と、これから進化する「中小企業憲章」です。この2つと激変の経済環境に抗う覚悟があれば、私たちは真価を発揮し、成長し続けることができます。そして「人間が尊重される社会」へと、幸福度があがっていくのです。経営者である限り同友会会員として誇りを持ち、次の時代へ挑戦していきましょう。

 

副代表理事  山本 靖也