金融委員会−金融寺子屋(2月24日)
経営環境改善の歴史を刻む

パネル討論で金融アセス運動の成果が語られる

国会を動かすうねり

かつて国会まで動かした金融アセスメント法制定運動を振り返り、金融委員会でその歴史を継承すべく今回の金融寺子屋が開催されました。

まず、当時の金融アセスメント推進プロジェクト長であった木全哲也氏(三恵社)より、その経緯を語っていただきました。中小企業の資金調達には「第三者保証・物的担保」が求められたり、「貸し渋り・貸しはがし」を受けるといった厳しい現実がありました。木全氏は「自分たちにできること」を模索する中で、同友会の経営環境改善という目的を運動にすることができたと振り返りました。

中京大学の由里宗之教授からは、元金融マンという視点から金融ビッグバンの全体像を講演いただきました。由里氏は、当時の金融情勢と同友会での動きが重なり合い金融アセス運動がうねりとなっていった背景と、現在に続く流れを解説。そして、今後また「貸し渋り・貸しはがし」が現実味を帯びてくる可能性があることを示唆しました。

自助努力で改善

その後、由里氏による司会のもと、木全氏と共に金融アセス運動の中心となっていた村上秀樹氏(村上電気工業)、藤田彰男氏(赤津機械)、後藤登氏(中川機械製作所)、そして金融委員長の長谷川睦氏(長大商事)でパネル討論を行いました。

当時、聞きなれなかった金融アセス運動を理解してもらうために各地区へ説明に回るものの、なかなか協力が得られず苦労した話。それが一大ムーブメントに変わった瞬間の驚きや喜びなどが語られました。

同友会50年の歴史において、金融アセス運動は同友会3つの目的のうちの「経営環境改善」をテーマとした唯一の同友会運動だったといっても過言ではないと、今例会に参加して感じました。

 

イスクラアセットプランニング(有)  二村 佐斗史