【障害者問題委員会】 障害者雇用・就労支援の集い(2月9日)
個性を輝かせる経営

大前 陽子氏  (株)TJ天気予報・代表取締役

違いを認めあう企業風土と障害者雇用の報告から人間の尊厳について議論する

美容業界でのチャレンジ

障害者雇用はむずかしいとされる美容業界で、TJ天気予報では1年前から取り組みを始め、現在9人を雇用しています。大前社長は「できない理由を並べていたが、本気で取り組み始めたら、やるべき課題が見えてきた」と言います。

まずは草取りや掃除、店のスタッフなどあらゆる仕事を試し、彼らの力を見極め配置しました。安定した仕事量を確保するため、リネン類の洗濯業務を内製化し、新工場も建てました。お店や工場で働く様子が映像で紹介されると、一生懸命な姿、みんなと一緒に並ぶ笑顔に、働くことの大切さが伝わってきました。各店舗では、一緒に働くことで違いを認め合う風土が築かれつつあるようです。

人生をかけられる会社にする

大前社長は、独立と転職の多い美容業界で、TJ天気予報を「人間をつくる学校」と位置付けました。社員が誇りを持って働き、人生をかけられる会社をめざし実践を続けています。

業界ではめずらしい社会保険や退職金など福利厚生を整え、社員一人ひとりが活躍できる出番をつくり、周囲が支える関係を重視してきました。技術と数字と同時に、人間性を身につけバランスのよい人間として育ってほしいと情熱を注いでいます。こうして築かれた風土によって障害者雇用が自然に進みました。

参加者からは、「自分を尊べる場をつくることが経営ではないか」「障害者雇用を身近に感じた」などの感想が寄せられました。