愛知県中小企業研究財団(2月14日)
大田区産業振興協会&ベトナム政府関係者懇談会

〜東アジア視察プレ企画

愛知県中小企業研究財団では今年9月の東アジア視察のプレ企画として、大田区産業振興協会との懇談会、ベトナム政府関係者との懇談会を開催しました。当日は財団メンバー6名、渡辺俊三氏(名城大学教授)、事務局員3名が参加し、多くの気づきと学びを得ることができました。その模様をご紹介します。

時代の変化にあわせ柔軟に扱う製品を変える仕事づくりが紹介される(大田区産業振興協会)

大田ブランドを世界に発信

大田区は、言わずと知れた中小企業の集積地としてその歴史を刻んできました。現在4000社が事業を営むなかで、2000社が1名〜3名、全体の9割が20名以下の企業であることは、大田区の性格を端的に表しています。

大田区の中小企業群は、いわゆるサポーティング・インダストリー(裾野産業)に位置づけられます。産業のなかで最も基本的な位置づけがされているこの分野は、日本が本来得意としてきた「すり合わせ技術」を武器に、生産商品が時代と共に変化しても、柔軟に扱う製品を変化させることで新たな仕事づくりを可能にしてきました。

こうした基盤技術の集積である大田区では、現在、区をあげて大田区の中小企業を「群」として世界に売り込み、「大田ブランド」として世界にその力の大きさを発信しています。確かに中小企業単体は小さいかもしれません。しかし、中小企業を「群」として捉えた時、その可能性は大きく拓けるのです。

日本とベトナムの中小企業政策の特徴などを交流

若手ベトナム政府関係者の心意気

経済がグローバル化するなか、中小企業憲章の精神を日本だけでなくアジア全体で実現することの可能性を探る、東アジア視察を予定しています。そのため現地との交流を目的とした懇談が開催されました。

その内容はベトナムの中小企業団体の現状、中小企業政策、若者の就業観など多岐に亘り、日本との共通点、差異点が明らかとなりました。何よりも、参加した若手ベトナム政府関係者らの国を想う気持ち、自分たちが国を、次代のベトナムをつくるという気概に、心強さとエネルギーを感じられたことは大きな収穫です。

その後の懇親会では、言葉は満足に通じなくとも中小企業を想う同志として交流が深められ、9月にベトナムでの再会を約束し、懇談の締めくくりとしました。